排卵誘発剤やホルモン治療など、西洋医学の不妊治療にも
漢方の補助療法が効果的です。
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不妊症治療で、最近、日本でも注目されているのが、西洋医学の長所と中医学(中国漢方医学)の長所をうまく組み合わせた「中西医結合」という療法です。これは、西洋医学から見た妊娠のメカニズムや療法に合わせて、生理機能を整える働きのある漢方薬を補助的に使って、妊娠率を高めようという方法です。
例えば、無排卵月経や無月経などによる不妊症で、よく用いられる薬にクロミッドという排卵誘発剤があります。確かに排卵率は高くなるのですが、排卵率に比べて妊娠率が低い。なぜならクロミッドには、子宮内膜が厚くなるのを防げるという副作用があるからです。また、通常、排卵が近づくと、精子を通しやすくするために子宮頸管から粘液が分泌されるのですが、クロミッドには、子宮頸管の粘液を減少させる作用もあるため、精子が通過しにくくなるという面もあります。
しかし、漢方薬をうまく使うことで、こうした問題はかなり改善されます。
西洋医学と違って、中医学では、一人ひとりの体質を改善して体調を整え、生殖機能を高めていく治療法を行います。中医学では、不妊症を主に生殖器系やホルモン系を司る「腎」の生理機能が低下した「腎虚・精血不足」の状態であると考えています。そこで、機能が低下した「腎」の働きを補う「補腎・補精血」作用のある漢方薬を使い、低下している視床下部や脳下垂体、卵巣の自然な働きを促し、月経不順のアンバランスを改善させます。
中医学で使用される補腎・補精血薬には、「参茸補血丸」や「婦宝当帰膠」、「胎盤エキス」がありますが、これらの漢方薬には、生理機能に欠かせないミネラルやアミノ酸が豊富に含まれている他、性腺刺激ホルモンと成長ホルモンを促進させる作用があります。また「当帰芍薬散」は、クロミッドによる子宮頸管粘液減少作用を抑える働きがあります。
排卵誘発治療には、黄体ホルモン剤が併用される事が多いのですが、高温期と低音期の温度差が0.5℃以上になったり、月経期に入っても体温が下がらないなどの問題が生じる事があります。これはホルモンのアンバランスが原因で、月経前緊張症候群など、ホルモン剤を使わない場合にも見られます。黄体期のホルモンが過剰になり、その結果、月経期に不要になった子宮内膜と中の血液(経血)がスムーズに排出されないため、卵胞期の卵子の発育にも悪影響を与えます。
ホルモンバランスを調整する漢方薬には、「知柏壮健丸」、 「加味逍遥散」などがあり、個々の症状によって使い分けます。
下記の表は、基礎体温に基づく諸症状別治療方法と漢方薬のご紹介です。
もっと詳しくお知りになりたい方は、お気軽にご相談ください。
「不妊症に関するご質問集」もご参考下さい。
基礎体温に基づく諸症状 | 治療方法 | 処 方 |
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基礎体温が一相性で高温期がない 無排卵又は無月経 |
生殖機能をつかさどる「腎」の補強及び血行をよくする ”補腎活血法” |
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高温期に上がるのに三日以上かかる 排卵障害 |
気のめぐり及び血のめぐりをよくする ”理気活血法” |
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高温期が短い又は高温期の体温が低い 黄体機能不全 |
腎を補い血を増やす”補腎温陽、益気養血” |
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高温期が高すぎる ホルモンバランス失調 |
ホルモン治療後によくみられる症状で、熱しすぎて着床しにくい。 ”滋陰降下法” |
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高温期と低温期の差が大きい ストレス性高プロラクチン症 |
ストレスを解消して気の働きをよくする ”疎肝理気法” 及び ”補腎活血法” |
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子宮内膜症 | 気のめぐり及び血のめぐりをよくする ”理気活血法” |
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多発性子宮筋腫 | 血のめぐりをよくする ”活血化お” 免疫力をつける ”免疫力強化法” |
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習慣性流産 | 黄体機能不全によるものが25~60% その他精子に対して拒絶反応を示す抗精子抗体などの免疫的な要因 ”補腎温陽・益気陽血法” |
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高温期、低温期共に体温が低い | 気血不足タイプ ”補気、補血法” |
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